さてとまる

日々を綴る

MOT

昨日からほんとに調子が悪かった。
お茶を買おうとして自販機にコインを入れたら詰まった。修理を依頼したら、部品がないので明日になります、と言われた。明日、有給を取ったのに、と思い、でもしょうがない、と今日出社し、修理に来てもらったら、詰まったはずのコインが消えていて、直っていた。私の十円玉は一体、何処に?

がっかりしている修理屋さんに丁重に詫びて、自販機直りました、と上司に連絡し、中途半端だが、そこから休みにすることにした。
体調もこのところの寒波で風邪をひき、昨夜もあまりよく眠れなかった。だが、石岡瑛子展の切符を買ってしまったので行かないわけには…。と、言うわけで私は清澄白河の人となったのである。

東京都現代美術館は、清澄白河の駅から15分くらいのところにある。ちょうど11時半をちょっとすぎ、そろそろ昼食の時間だ。三つ目通りを歩いていると小体なカレー屋さんがあり、そこでお昼にすることに。ナンディニさん。レディースセットを頼んでみた。でも全然レディースじゃなかったよ。量が。チーズたっぷりの熱々のナンのボリュームがすごかった。バスマティライスもついていたけど、食べるのに苦労したわー。チキンカレーもラッシーもおいしく、充実の昼ごはんでした。でも完食。食べてる間もひっきりなしにテイクアウトのお客さんが来る。繁盛している様子。いいなあ、こんなお店が近くにあって。

そこからてくてく3分くらい歩き、本日の目的地へ。鑑賞予約時間の13時にはまだ間があるので、同時開催の「MOT ANNUAL 2020 透明な力たち」を鑑賞した。なんか面白かったな。すごい乱暴な言い方だけど、現代美術って、でっかい図画工作って感じ。特に「片岡純也+岩竹理恵」さんの展示は、「おーい、お茶」の缶のプルタブが自動で回転していたり、切手の蝶が切手から飛び出し、花の切手の上でひらひらしていたりしてエスプリを感じた。クラフトエヴィング商會みたいな感じ、といったらいいだろうか。
他にもフォトシンセグラフといって植物の葉に名画を転写する清水陽子さんの作品が、なんというかサイエンスとアートの融合を感じさせて面白かったな。

肝心の石岡瑛子展は、と言えば。
初期の広告から(もうどれも見たことあるものばかり。超有名。)、活動後期のコスチュームデザインまで、ほんとに「総合芸術-デザインの現場」。何て言うのかな、デザインと言うものの限界を試してる感じ。圧倒的なオリジナリティーで駆け抜ける。かっこいいなあ。うちの母と7歳くらいしか違わないんですよ。戦争を経験している人の握力の強さ(志、とも言うと思う)、日本の広告の黎明期の躍動感みたいなものも感じて、石岡さんの生きた時代が、石岡さんにはぴったり合っていたんだと思いました。天才の登場に、天地人は大切なんですよ。

と、言うわけで美術展をはしごしまして、充実の一日でした。
歩きまくって体も暖まり、風邪も心なしか軽くなったような。

ちなみにMOTとは、Museum Of contemporary art Tokyoの略でした。ちょっとカッコつけてみたかった。

以上。