文学者視点なら、可愛い女性が壊れていく様は書きごたえのあるものだろうな。それでもそれだって、普通の生活をして、ある程度のささやかな苦難を乗り越えたり挫折したりしている者としては十分に残酷なことだと思う。
人が壊れていく様を美しく描いた物語を目にしなくなって随分経つ。忙しい世の中だから、そんな些末なことにこだわっている暇はないんだろう。他にもっと快く、面白く、憂さを払ってくれるお話は山とあるわけだし。
でもそういう物語に出会い、強く憐憫の情を得て、それは残酷なことなんだと知ることができたのは、今となっては良かったと思う。花が枯れるのは悲しい。人ならなおさらだ。
広末さんは離婚をして独立したばかりで、先の不安がたくさんあったのだろうな。明るくて可愛い姿をたくさん知っているから、自分を責めることなく、焦らずにゆっくり休んでほしい。
中居くんの件もそうだけど、人の前に出る人は壊れるくらい色んなものを一人で背負っていたりする。それも本や映画や演劇で昔読んだり見たりしたよ。スターの光と影とかさ。だからいつも後ろにあることはどういうことなのか、余計なことだと思うけど考える。別に真実じゃなくても構わない。でも、物語について、あまりにも鈍感じゃないのかなあ。確かに面白いんだが、売らんかなのゴシップの言いなりにはなりたくないよね。