さてとまる

日々を綴る

アニー·ホール

ダイアン·キートンさんが亡くなったと知って、「アニー·ホール」を見た。

若い頃に見たときは、なんだかあまり良くわからなかったのだが、今再び見てみると、とても良くできた大人のラブストーリーだと分かる。

ウディ·アレンが可愛い大人なんですよね。大人になりきれない大人。もちろん役の上でだろうけれども。で、とてもよくしゃべる。ニューヨーカーが饒舌というイメージは、ひょっとしてウディ·アレンが広めたのかも。で、この饒舌っぷり、どこかで見たことがある、と思ったら、オタクの子がよくこういう喋り方するなと。ウディ·アレンは50年前からこうだったんだね。

で、ダイアン·キートンさん。この映画の中では、ショービズに憧れるちょっとトウのたった女優さん役なのだが、なんだろうな、普通、何者でもないってカッコ悪いことだと思うんだけど、その何者でもない、大人でもないスキマを漂う感じがね、時代だったのよ。浮草の自由さがすごくカッコよかったんです。すごくおしゃれでね。一時期、ジェーン·バーキンかこの人かというくらい、女性誌では人気があった。新しい女性像というか。ジェーン·バーキンはアンニュイな感じだったけど、この方は知性的で可愛らしかったのよね。お年を召してもずっとそうだった。

亡くなったのをXのロバート·デ·ニーロさんの投稿で知りました。

素敵な俳優さんがまた一人。寂しいと感じるのは時の流れのせいでしょうかね。