さてとまる

日々を綴る

プロの味

別に食料難の時代でもない。日本の1970年代の話である。なぜか、みんなが残り少ないおかずやスープを奪い合って食べていた。
いただきます、の挨拶と共に猛ダッシュ。自分の分を光の早さでかきこみ、本日のカレーだかシチューだか、その他余っているところにソッコーで列を作る。私は女の子だったが食い意地が張っていたので男の子なんかに負けない!(意地の出し処が明らかに間違っている)とサクッと食べて、サクッと並ぶと、
「iQue、女の癖に生意気なんだよ、何おかわりしてんだよ」
すみません。だって今日のカレーうどんは私の給食のベストメニュー。ソフトめんだって、まだ半分残ってるし。それにこれは戦い。飢えに性別は関係ない。下がっていろ。

大きなベッドタウンに育ったので、子供の数が多かった。そのせいだろうか。団地の子はこれだから、と言われてしまうかもしれない。私は一人っ子だったから、友だちと争って食べるのも楽しかった。
カレーうどんやハヤシライスやけんちん汁はもちろん、涼伴三絲、そして竜田揚げ。共働きの我が家ではあまり見ないメニューも多く、給食はおいしかった。子供に食べさせようとする大人の気合いも凄かったように思う。メニューはバラエティーに富んでいたけど、ちょっと苦手だったのは野菜の辛子和え。マスタードは大人の味だと知りました。食べることの楽しさ、世の中の食べ物のいろいろな種類。それは給食で学んだと言っても言いすぎではない。それに、お母さんの作ったものじゃないおいしさ。それを知ることができたのは間違いなく良かったな、と思う。





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