さてとまる

日々を綴る

りゅうちぇるくん

昔、若いころ本屋さんで、長沢節先生の「弱いから、好き」というタイトルの本を、そのタイトルに惹かれて買い求めた。今でも本当に白眉のタイトルだと思っている。

そこには性差を気にせず、自由に生きたっていいでしょう?という、控えめだけれど強い主張があり、男の人だって弱くて繊細だっていいじゃない?と書かれていた。 見た目ごっついがゆえに女子として大変傷つきやすかった私は思わず膝を打った。

 

 

弱さというのは守ってあげる人がいれば、繊細な個性として大きく花開くことがある。

つい先日も「ベストヒットUSA」でWham!の特集をやっていて、繊細で傷つきやすいジョージ・マイケルを親友でありメンバーだったアンドリュー・リッジリーが身体を張って必死に守っていた、と言っていた(彼らのドキュメンタリーがNetflixで絶賛配信中らしいので見なくては!)。

私は単にお茶の間から見ているだけの人だが、そんな関係性が、亡くなったりゅうちぇるくんと、ぺこちゃんにもあったのではないかなあと思っている。ぺこちゃんはとっても腹の据わった女の子だなあ、と、見ていてずっと思っていた。

一方でりゅうちぇるくんのことについて思ったのは、ただでさえ心も身体も不安定になりがちなゲイの人たちの間には、助け合い、悩みを共有する場所というのはないのだろうかということ。マイノリティの人々はお互いに助け合うものだと思うのだが。この件について大御所のゲイの皆さんが沈黙を守っているのも気になるところだ。

だがしかし本当に天使のようにかわいかった。いつもにぎやかで楽しそうだったから余計寂しい。

ご冥福を心よりお祈りいたします。