さてとまる

日々を綴る

かわいいおばあちゃん……

よく
「かわいいおばあちゃんになりたい!」
ってお嬢さんがいるけども。

あんまりお薦めしないな。

私の見立てでは、あれは、般若。
どうしてこんな鬼になっちゃったの?って言うのを、泣きながら一生懸命、補正していると思う。

なので、私はかわいいおばあちゃんに会うと、とっても緊張するのです。鬼、飼ってんだろうなー、とか思って。そして、緊張してばかりではなんなので、きちんと襟を正して接する。笑顔は大切だわー。敬老、とか言ったらぶっ飛ばされるので、フレンドリーに、楽しく。普段は無愛想なんだけど。

母が看護師で、キャリアの最後を老人病棟で過ごしていたので、寝たきりでも芸について語るかわいいおばあちゃん(もと芸者。90歳)や、遠くフィリピンに最後に愛した女がいるらしい、もとヤクザのおじいちゃん(女の名前はサンパギータ。本当かよ)等の話をよく聞いていた。芸者のおばあちゃんが亡くなった時は、看護師としてはどうかと思うが、母は涙ぐんでいた。

枕が長くてすみません。
沖田✕華さんの「お別れホスピタル」を読んでいたら、かつて母から聞いた老人病棟のあれやこれやを思い出したので。
絵がかわいいので、きっと修羅場なんだろうな、という場面も、言ってはなんだが楽しんで読める。どこかとぼけた感じも、ユーモラスで○。
今、このゆとりのない日本て国で長生きするって、本当に大変。なので、このマンガでその一端が知れるのはありがたい。

長生きしたって親も兄弟も友達も、みんな先に行ってしまって、自分はたった一人で残される。子供も期待できないし(誰のことだー、誰の)、うちの母はよそでは「かわいい」おばあちゃんと言われていたけど、亡くなったその年に、とても仲良くしていたお寺の住職さんも後を追うように亡くなって、道連れにしたのかしら、と思いましたよ。同行二人。尊師と我は二人連れ。寂しかったんだと思います。

というわけで、かわいいおばあちゃんもなかなか大変、というお話でした。

繰り返しになりますが、「お別れホスピタル」、面白いです。今、黒い看護師が登場。手に汗握る展開が期待される……かな?