さてとまる

日々を綴る

歌が

「○○くん!」
とにこにこしながら女性が駆け寄ってくる。
○○くん、と呼ばれたボタンダウンを着た男性は
「おー、✕✕、久しぶり。元気?」
ホール入口のロビーは、まるで同窓会の立食パーティーみたいな雰囲気だ。
ここは郊外のコンサートホール。今夜のライブの年齢層は高い。だけどラフな服装の人々の中にも、スーツにハイヒールといったちょっと気合いの入った一団がいたり、会社帰りに急いで駆けつけたまじめそうなサラリーマンのおじさまがいたり。この日のためにちょっとお洒落してきました、という雰囲気の人もいれば、近くに住んでいるので来ちゃった、みたいな人もいる。会場についたのは開演2時間前だったけど、結構たくさんの人がもうホールの回りにいて、グッズの列にならんでいた。
ふと見回すと、カップルの率が多い。
「ママの携帯で撮ってあげようか」
「パパ、こっち、こっち」
なんだかとっても楽しそう。

私は今年55歳になるが、私たちの年齢で平日にコンサートに来るのは実は大変なことだ。でも、私たちの年齢で思いきり楽しめるコンサートがあまりないのも事実。ユーミンのコンサートは絶対に裏切らないことをみんなが知っているので、万障繰り会わせて足を運んでしまう。

ツアーはこれから始まるので、ネタバレは避けるけど、セットリストがとても良かった。かつてユーミンは「銀行がつぶれるような時が、私が売れなくなる時」と言っていたが、おそらくこれからきっと来る大変な時代に、心癒される曲を実はたくさん作っていたんだな、ということがわかる。もちろん陽気でアガル曲もあり、いつものことながらほんとにお洒落だし、また、今回のホールがオペラハウスのような作りになっていたこともあって、一瞬、現世を忘れて楽しんでしまった。ユーミンの曲はスタンダードとして定着しているものも、大きなヒットも多いので知らない曲がほとんどない。そしてまだ私たちが可愛らしかった頃に、憧れていた歌でもある。でもそれをいままたライブで聞いてみると違った発見があって、個人的なことで恐縮ですけど、ライブで初めて泣いたという…
自分の人生を、歌が追いかけて来るっていいなと思いました。

まじめに書いたんだけど、今一つまとまらなかった。ユーミン様を語るにはまだまだということでしょうか。

現場からは以上です。